転勤発表でたろうさんは東京へ行くことになりました。
転勤が決まると週末は新しい家を探しに行くのがわたしの会社では恒例となっています。
転勤する人向けに人事から本人の希望を聞いて物件をいくつか探して情報を提供してくれていますが、実際に現地に行って探してくる人が多いです。
そりゃそうだ、これから何年かわからないけど住み続ける家なのですからそう簡単には決められないですよね。
例に漏れず、たろうさんも次の日からお休みを頂けたそうなので、物件を探しに行くことになりました。
しかしながら、たろうさんはおうち探しは初めてです。
今住んでいるおうちは会社から紹介された物件を内見せず決めたのです。
この家の話は別の機会としましょう。
というわけで、物件の選び方もわからないたろうさんと夜一緒に賃貸検索を始めました。
まず、家を決める際に重要なのは場所です。
住んだことのない土地でどこを選んでいいのか悩みものです。
しかしこの問題は今回はすぐに解決しました。
東京はたろうさんも以前住んだことがあったからです。
たろうさんは自分のお父さんや、会社の先輩方と相談し大まかな地域を確定しました。
場所が決まればあとは家賃と間取り、広さ等自分のお好みの条件を選択し検索します。
今回たろうさんは福岡の家の成功と反省を生かし、いくつか条件を決めました。
・鉄筋コンクリートであること
防音がしっかりしていて隣人の生活音が聞こえにくいため
・大きな道路に面していないこと
車の音がきになるため
・独立洗面台であること
現在のたろうさんの家がユニットバスなのですが、わたしの家で生活するようになって独立洗面台がいいと思ったそうです。ユニットバスだとお風呂場にあるので洗面台として使いづらく、かつ風呂場としては邪魔だったそうです。
・ウォシュレット付きトイレ
ウォシュレットを使うから
・宅配ボックス
家にいない時に荷物を受け取れなくて困ったため
以上の点を踏まえ、予定予算を決め検索しました。
わたしは何度か引越しをしたこともあり、物件を見ながらアドバイスをしていました。
正直、検索はあくまでイメージです。
以前聞いた話なのですが、契約が決まった物件でも検索サーチに残っていることも多く契約済なことはしょっちゅうだからです。
たろうさんと一緒に物件を眺めて、地域の物件の相場(どれくらいの広さで家賃はどれくらいなのか)を確認し飛行機の予約をしました。
その時たろうさんはわたしに言いました。
「一緒に家見に来る?」
どきっ!としました。
え、それは一緒に住む意欲があるからなのか?
え、一人暮らしの家探しじゃなかったのか?
え、もしかして真剣にわたしとのこれからも考えている?
残念ながらそんな深い意味はなく単純に一人ではじめての物件探しが不安だったようで、すぐさまやっぱり一人で行くわと言ってきました。
残念。
たろうさんは本当に真面目な人なので、自分の物件探しにわたしを巻き込むのは申し訳ないと思ったようでした。
そんなのは迷惑でもないし、私としてはとても嬉しかったのですが自分からわたしも見に行きたいとも言えずなにかあったら電話してねと伝えました。
そうして明日の朝一の飛行機を取り、たろうさんは旅立っていったのです。
わたしは一人福岡の地でたろうさんの物件が無事決まることを願い帰りを待つのでした。