東京へ家探しに行ったたろうさんを送り出したわたしでしたが、人の心配をしている場合ではありませんでした。
当日は不安の中不動産やさんに言われるがまま家を巡っていたようですが、なにぶん決断力はあるたろうさんなので不動産の方と相性が良かったこともあり昼から探して夕方には無事決まっていました。
わたしも当日休みだったため逐一写真にて報告をいただきながら、なかなかいい条件の部屋が見つかったことに安心しました。
はじめての物件探しではありましたが、たろうさんの条件にあげていたものは半分ほどはクリアできました。
残念ながら水回り系(トイレのウォシュレットがないことと洗面所とトイレは一緒であること)はかないませんでしたが、問題ないようでした。
正直少しだけわたしと住むことを前提に家を探してくれるんじゃないかという期待はありました。
もちろんたろうさんはそんなこと一言も言ってないのですが、とにかくほんの少しだけ期待していました。
もちろん決まった家は一人暮らし用の1Kでしたけれども
ほんの少しの期待だったので特にへこんだりはしませんが、じわじわと
あ、これ遠距離長いかもな
と確信しました。
これからのことちゃんと考えないかんなあと私はしっかり現実を受け止めたのです。
そんな気も知らずたろうさんはその後東京にいる友人との飲み会にうきうきで参加しに行っていたのでした。
さて、翌日。
わたし自身も転勤については驚きましたがおやすみのおかげで、随分平常心になり変わらず何もなかったように出勤いたしました。
そしてそれは前触れもなくやってきたのです。
突然上司がわたしを呼び出しました。
全く見当がつかなかったわたしです。
なんと毎日を平凡にすごしているのでしょうか、、、
そして上司はわたしへこう告げたのです。
「マコちゃん、部署異動です」
この一言でわたしはたろうさんの転勤よりもはるかに現実的な自分自身の状況に絶句したのでした。